首を絞めた話


今月から、本格的に首を絞めるようになった。


昔から、多少は締める癖があったけど、苦しくてやめてしまうことが多かった。


今回は、本当に死にかけたときの話。


気道を圧迫すれば、2時間も放置すれば死ねると聞いたので、苦しくても頑張るようにした。長袖のシャツを後から前に2周、究極に苦しいところで縛った。顔が膨張して、丸くなってるのがわかった。呼吸はすぐに出来なくなった。←1番苦しかった  こんなに死にたいのに、体は生きたいから、息ができないのに息をしようとするんだ。口はガムテープで止めてたから、鼻で息をしようとするんだけど、吸えないし、吐けない。お腹と胸(肺?)が苦しくなって、でも、息はできなくて、だんだん体の力が抜けて、多少の痛みはあるけど、ふわふわした気分になっていった。体感では30分くらいだったけど、たぶん、1分や2分のことだと思う。

これが、意識がなくなるってことなのかどうかはわからなかったけど、呼吸をしなくても平気だった。

だんだん、体が痙攣して、勝手に動き出す。足は上がり(今までにないくらい真っ直ぐに)腕も天に引っ張られる。

だんだん体が宙に浮いていく。すごくすごく軽かった。幽体離脱とか、解体離脱と呼ばれるものだったかもしれない。

体が宙に浮いて、部屋をぐるぐる飛んで回った。時には椅子に座ってパソコンを見たりした。部屋は真っ暗だった。でも、何かを考えたり、感じたりしなかった。部屋を出て、家中を回った。歩いていた。父親も母親も寝ていた。猫も寝ていた。だから、わたしも眠ることにした。

そして、ある人達に出会った。

首を吊って亡くなった方達について行った。

そして、彼らが亡くなった後の世界を見た。

何事もなかったかのようにすぎる世界。

でも、それは全てを見たわけではない。

誰かは悲しみ、苦しみ、生きている。

身内が自殺をしたり、病死したりを見てきた。

みんな、普通に生きてる。わたしが死んでも、きっと変わらず生きるのだと思う。

そして、全てを見て、部屋に帰ってきたときに私は、思った。「こんな甘い締め方じゃ死ねない!」と。そこで意識がはっきりとして、痛みと苦しみに襲われた。急いでガムテープと紐を解いた。時間は4時間くらい。夢を見ていた感じではなかった。全て現実だったんだ、と思った。


それから、しっかり首を絞められない。

あの一瞬の苦しみを乗り越えたら、あとは苦しさはなかった。死ぬ間際だったと思う。